内臓脂肪減少薬「アライ」は本当に痩せるの?効果や副作用について解説します

 

アライは大正製薬から発売された国内初の内臓脂肪減少薬です。

 

食事に含まれる脂肪が体内へ吸収されるのを抑制し、便として排出されるため、カロリーの摂取量を減らすことができます。一方、おならと一緒に便が漏れるなど、便失禁の副作用が生じることも。

 

当記事では、アライの効果や副作用への対策、購入する条件について詳しく解説します。

 

また、アライと同じく肥満治療に用いられるGLP-1受容体作動薬や、同じ有効成分「オルリスタット」を含むゼニカルとの違いについても紹介しています。購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

この記事の監修医師

 

こちらのページは医学的・専門的な内容の為、当院院長の三島 雅辰監修の元作成しております。


資格:日本外科学会認定医日本医師会認定産業医


所属学会:日本再生医療学会日本美容外科学会


専門:再生医療・予防医療培養上清注射・点滴療法(エイジングケア)

アライは国内初の内臓脂肪減少薬

アライとは、内臓脂肪や腹囲、体重を減らす効果のある医薬品です。腹部が目立つ人を対象とした日本初の内臓脂肪減少薬です。

 

有効成分「オルリスタット」が脂肪分解酵素リパーゼの働きを阻害することで、脂肪の吸収を抑えます。食事で摂取した脂肪の約25%が便として排出されるため、カロリーの摂取量を減らすことができます。

 

ただし、アライの効果を得るためには、同時に食事内容の見直しや運動など、生活習慣の改善が必要になります。

アライの期待される効果

アライはオルリスタットを有効成分とした医薬品で、内臓脂肪と腹囲を減らす効果や体重減少が認められています。日本では、2024年4月8日(月)に大正製薬より発売されました。

 

以下で特徴や効果・副作用について解説します。

脂肪を吸収しにくくする

食事で摂取した脂質はリパーゼによって分解され、小腸などの消化管から体内へ吸収されます。

 

アライはリパーゼの活性を阻害し、脂肪の吸収を防ぎます。そのため、本来なら体内へ吸収されるはずの脂肪が便と共に体外へ排出されます。結果として摂取カロリーが少なくなり、内臓脂肪や腹囲、体重減少につながります。

日本国内で初めて承認された肥満改善薬

大正製薬株式会社は2023年2月17日に、内臓脂肪減少薬「アライ」の製造および販売の承認を得たことを公式サイトで発表しました。

 

アライの有効成分オルリスタットは、医療用医薬品として1997年にアルゼンチンで承認され、その後100ヶ国以上で使用されています。一般用医薬品としては、2007年にアメリカで承認され、現在では70ヶ国以上で用いられています。

 

日本では、医療用医薬品としての販売ではなく、薬局やドラッグストアなどで購入できるダイレクトOTCとして「アライ」が発売されることになりました。

日本人を対象としたアライの臨床試験

日本人200人を対象としたアライの臨床試験において、アライを24週間継続して服用した人の内臓脂肪面積などの平均数値が、以下のように変化したとの報告があります。

・内臓脂肪面積:121.54㎠ → 105.31㎠
・ウエスト周囲長:97.64cm → 95.16cm
・体重:80.38kg → 78.24kg

この臨床試験において、日本人でもアライの服用で内臓脂肪や腹囲、体重が減少することが明らかになりました。

 

また、日本人120人を対象とした臨床試験では、アライを52週間継続して服用すると、以下のように平均数値が変化したことが報告されています。

・内臓脂肪面積:130.90㎠ → 103.01㎠
・ウエスト周囲長:96.86cm → 92.56cm
・体重:78.25kg → 74.25kg

これらの結果から、アライを半年服用するとお腹周りが約2.5cm細くなり、体重が約2.1kgが減少。1年服用するとお腹周りが約4.3cm細くなり、体重が約4.0kg減少することがわかりました。

アライの副作用

オルリスタットを含むアライを使用することで生じる副作用には、消化器症状と便の漏れがあります。

 

具体的には、肛門からの脂の漏れ、おならと同時に便が漏れる、便失禁などの副作用が挙げられます。これらは自分でコントロールできないため、日常生活で支障を来たすこともあります。

 

ここからは、アライの副作用について詳しくみていきましょう。

消火器症状

オルリスタットは、リパーゼの働きを阻害することで脂肪の吸収を抑制します。食事で摂取した脂肪の約25%が、消化されないまま便として体外へ排出されます。そのため、便が油っぽくなることがあります。また、脂肪が消化されないことで、便の回数が増えることも。

 

未消化の脂肪が大腸を刺激することでガスが溜まりやすく、お腹が張ることもあります。更に、脂肪が過剰に排出されることで、下痢や腹痛を伴うケースもあります。

便が漏れる

アライの服用で、便が多くの脂肪を含み、柔らかくなることがあります。そのため、おならをする際に便が漏れてしまうことも。

 

また、未消化の脂肪が油として肛門から漏れることがあるなど、不快な副作用が生じるリスクがあります。

アライの副作用への対策

アライの副作用への対策として、以下のようなことに注意してください。

・低脂肪の食事を心がける
・食事の脂肪内容を記録し摂取量を調整する
・消化器系の症状が現れた場合は食事内容を見直す
・必要であれば薬剤師や栄養士に相談し食事計画を立てる

アライの副作用を回避するためにも、購入後のサポート体制が整っている薬局やドラッグストアで購入することをおすすめします。

アライの購入方法

アライは医療用医薬品としての発売を経ることなく市販される医薬品「ダイレクトOTC」で、2024年4月8日に日本で販売が開始されました。

 

医師の処方なしで、薬局やドラッグストアで市販薬として購入できます。ただし、要指導医薬品に該当するため、薬剤師がいるお店でしか購入できません。

 

また、アライを安全に使用するための指導を受けるために、最低でも1ヶ月前から食事内容や運動習慣、体重、腹囲を記録し、購入の際に薬剤師に提示する必要があります。

 

アライの費用

 

アライは18カプセル入りと90カプセル入りがあり、それぞれの費用は以下のとおりです。

 

18カプセル(6日分) 2,530円
90カプセル(30日分) 8,800円

 

アライは要指導医薬品で薬剤師による長期管理が必要となります。実際に商品を購入する際は、薬局やドラッグストアでの購入条件を確認しましょう。

アライを購入する条件

アライは要指導医薬品のため、薬剤師がいる薬局やドラッグストアのみで購入できます。

 

また、以下に該当する人が対象となる医薬品です。

・成人(18歳以上)
・腹囲(へその高さ)男性85cm以上・女性90cm以上
・生活習慣改善の取り組みとして食事の見直しや運動習慣を取り入れている

アライを購入する場合は、服用3ヶ月前から服用中を通して、食生活の見直しや運動を取り入れるなど、生活習慣の改善に取り組む必要があります。

 

また、初回購入の1ヶ月前からは生活習慣改善についての内容を記録し、薬剤師へ提出する必要があります。

アライを使用できない人

以下に該当する人はアライを使用することができません。

・18歳未満
・腹囲が男性85cm未満、女性90cm未満の人
・食事や運動など生活習慣の改善を行っていない人
・有効成分「オルリスタット」にアレルギーを起こしたことがある人
・併用禁忌薬(シクロスポリン製剤、抗HIV薬、ワルファリン等の抗凝固薬)を使用している人
・「吸収不良症候群」「胆汁うっ滞」と診断された人
・病気や医薬品の影響で腹囲が大きい人
・妊娠中または妊娠の可能性がある
・授乳中
・BMIが35以上の人またはBMIが25以上35未満で次のいずれかの診断を受けている人

  • 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常等) 
  • 脂質異常症
  • 高血圧
  • 高尿酸血症・痛風
  • 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症 
  • 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)
  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)
  • 月経異常・不妊
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)・肥満低換気症候群
  • 運動器疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症、手指の変形性関節症
  • 肥満関連腎臓病

引用:ご購入前チェックシート - 大正製薬公式サイト

アライは体重を減らすのではなく、生活習慣病の予防のため内臓肥満の改善を目的としています。

 

そのため、高度肥満(BMI35以上)や肥満症の人、BMIが25以上35未満で、糖尿病や高血圧、高脂血症、睡眠時無呼吸症候群などの診断を受けている人は使用できません。

アライとGLP-1受容体作動薬の違い

リベルサスやオゼンピックなどのGLP-1受容体作動薬とアライは、肥満治療に用いられるという共通点がありますが、作用機序や効果、副作用においては特徴が異なります。

 

アライ GLP-1受容体作動薬
作用機序 食事から摂取した脂肪の薬25%が便として排出されるため、摂取カロリーが減る 胃の働きを緩やかにすることで満腹感が持続され、自然に摂取カロリーが減る
効果 糖尿病の血糖コントロールに直接的な効果はないが、体重減少により予防できる 体重減少とともに血糖コントロールの改善も期待できる
副作用 脂肪便・油漏れ・頻繁な排便の副作用があるが、低脂肪食を心がけることで管理できる 吐き気・嘔吐・下痢など消化器系の副作用があるが、使用を継続することで減少することが多い

 

アライとゼニカルの違い

 

アライとゼニカルは、いずれも有効成分としてオルリスタットを含む肥満治療薬で、同様の作用機序や効果があります。

 

アライはダイレクトOTC(医療用医薬品としての発売を経ることなく市販される医薬品)で、医師の処方なしで薬局やドラッグストアで購入できます。ただし、要指導医薬品として薬剤師による長期的な肥満管理プログラムのもとで使用できます。

 

一方、ゼニカルは海外ではアメリカなどで、重度肥満やメタボリック症候群の治療薬として承認されていますが、日本国内では未承認薬となります。保険適用外の自由診療で処方を受けることはできますが、海外から仕入れた薬剤が処方されます。

 

アライとゼニカルの主な副作用として、脂肪便や油漏れ、頻繁な排便がありますが、食事で摂取する脂肪の量が影響します。いずれも食事療法との組み合わせで、副作用に注意しながら使用する必要があります。

アライに関するよくあるQ&A

アライは痩せ薬なの?肥満に効く?

アライは肥満治療に用いられ、体重を減らすことを目的とします。

 

アライの有効成分「オルリスタット」が脂肪分解酵素リパーゼの働きを抑制することによって、脂肪の吸収を阻害します。そのため、摂取した脂肪の約25%が便として排出されます。

 

本来であれば吸収されるはずの脂肪が便と一緒に排出されるため、摂取カロリーが減り、内臓脂肪と腹囲を減少することが期待できます。

アライは何ヶ月服用すればいい?

アライは服用開始の4週間後からの効果が確認されています。

 

用法用量を守り、3ヶ月以上服用しても効果が認められない場合は、薬剤師に相談のうえ継続または中止について相談してください。

 

6ヶ月以上服用しても効果が現れない場合は、服用を中止して説明書を持って医師または薬剤師に相談しましょう。

アライはどこで買える?薬局で買える?

アライは要指導医薬品に該当するため、薬剤師がいる薬局や薬店のみで購入できます。

 

また、条件に当てはまる人しか購入できない医薬品です。

アライは糖尿病でも使える?

アライは糖尿病や高血圧、高脂血症など、生活習慣病と診断されている人は使用できません。

 

生活習慣病と診断される前の段階でアライを使用すると、摂取し過ぎた脂肪で油便が多くなります。そのため、脂質を抑えた食事に切り替えるなど、食事内容を見直すきっかけになるでしょう。

アライはどれだけ痩せる?

臨床試験によると、1年間服用することでお腹周りが約5cm、内臓脂肪が20~30%減ったとの報告があります。

 

ただし、アライを服用するだけでは効果がありません。食事内容の見直しや運動など、生活習慣の改善と併せて取り組む必要があります。

アライは内臓脂肪に効果がある?

アライは脂肪の吸収を抑制し、便と一緒に排出します。

 

日本人の臨床試験では、一定期間アライの服用を続けると内臓脂肪や腹囲が減少したとの報告があります。

 

アライはいつ飲む?

アライは食事のタイミングに合わせて摂取します。

 

食事の直前や食事中、食事開始から1時間以内に摂取しましょう。1日3回の服用が目安となりますが、食事しない場合は省略してください。

アライのデメリットは?

アライのデメリットは、消化されなかった脂肪が便として排出されるため、油便や尿漏れ、腹痛、下痢など消化器系の副作用が生じる可能性があることです。

 

これらの副作用は食事に含まれる脂肪が影響するため、低脂肪の食事に切り替えることが推奨されます。

アライの服用中にアルコール摂取してもいい?

アライの服用中に適量のアルコールを摂取するのは問題ありません。

 

ただし、お酒を飲むと食欲が増してカロリー摂取量が増え、体重管理に失敗する可能性があります。また、アルコールは脂肪の代謝を阻害するため、アライによる効果を十分に得られない可能性があります。

アライは肥満の人すべてに適している?

アライは肥満の人すべてに適しているわけではありません。

 

アライは内臓脂肪が多い人に推奨されますが、生活習慣病と診断された人は服用できません。また、持病がある人や特定の薬を服用している人は、薬の相互作用や副作用のリスクもあるため、薬剤師や医師に相談したうえで使用しましょう。

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